きままにまにまに

何か始めたいと思ったので始めました。

コロナウイルスについて

皆様おはこんばんちは(死語)。トケイソウです。

 

水際対策に失敗したコロナウイルスが蔓延しておりますね。

そしてなぜか全く関係ないティッシュ類が売り切れるというまさかの事態。

 

私は医師ではありませんが、医療関係の会社に勤めておりますのでその辺の人たちよりかは病気や薬に関しての知識が半歩分くらいあります。あると信じたいです。

時折知り合いからも意見を聞かれることがありますので、これまで聞かれたことに対して答えたことを文章にしてみたいと思います。(一応公的な情報元を参照したりしておりますが、如何せんまだ分からない部分が多いウイルスなので古くなって間違った情報が含まれるかもしれません。また私見も含まれておりますのあくまで参照程度に)

 

コロナウイルスとは

呼吸器疾患を引き起こす数あるウイルスの1種です。数あるコロナウイルスの中でも、風邪を引き起こすタイプが4つ知られています。

今回の新型コロナウイルスはこれから突然変異したものであり、感染力および毒性が高まったものと考えられています。(毒性に関しては意見が分かれており、そこまで高くないという人もいます。疫学調査の結果待ちです。)

もし新型コロナウイルスが人間と共生できるようになった場合、病原を引き起こす5タイプ目のコロナウイルスとして考えられるようになるでしょう。

たまにほかのウイルスからの変異や交雑したものでは?ということを聞かれますが、これについては日本ウイルス学会のHPでも紹介されていますが、SARSコロナウイルスと80%近い相同性を持ち、細胞への侵入に必要なたんぱく質が同じであることからコロナウイルスの突然変異体であることはほぼ間違いないです。交雑に関しては、ウイルスは宿主の細胞の機能を使って自己複製することしかできませんのであり得ません。

 

 

②感染様式

これは普通のコロナウイルスと同様で飛沫感染(唾や痰などに混ざって体外に放出され、他社へ感染する経路)がメインと言われています。今のところエアロゾル感染も疑われています。

エアロゾルとは、すごく細かい(目に見えないレベル)の霧状で存在するとでもイメージしていただければいいです。一応医学的にはエアロゾル感染という定義はないので、メディアによって空気感染と同列で語るところもありますが、それだウイルスは水分がなくても空気中を生きて漂えるということになりますので、個人的には空気感染≠エアロゾル感染だと思ってます。

 

③感染部位

これはウイルスに共通ですが、傷口や粘膜から侵入します。ウイルスは感染先の物理的障壁(人間でいえば皮膚、植物でいえばクチクラ層など)を自ら突き破る機構がありません。ですので傷口や粘膜などの既に入り口が開かれたところからしか侵入できません。

 

④手洗いうがいに効果があるのか。手洗い後に少しでも物に触れたら意味がないのではないか

これは半分正解半分不正解。仮に傷口や粘膜から侵入されたとしても、体の免疫がウイルスと戦って殺してくれます。

免疫が殺すウイルス数<侵入してきたウイルス数

となったときに感染が成立し、体内でウイルスがどんどん増えていきます。

なので体の中に入ってくるウイルスの数と機会を減らすという意味では手洗いうがいは非常に有効となります。

 

⑤水とかアルコールで細胞についたウイルスを胃にながせば大丈夫?

これは細胞へ侵入していない場合は有効です。ただし1回侵入してしまえば当然ながら水に流されることはないです。

お湯を飲めばいいというデマも流れましたが、人に感染するウイルスが人の体温より低いお湯で死ぬことは考えられませんし、仮に体温より高い温度のお湯を飲んでも細胞の中までお湯と同じ温度になることはあり得ません。

 

⑥治療薬はないのか。

これはインフルエンザ等でも同じことが言えるのですが、ウイルスを直接殺す薬というのは存在していません。原因としては変異を起こしやすいこと、人以外で発病しないので試験が進めにくいこと、構造が簡単なので攻撃する部分が少ないこと等があげられます。

なので今使われている薬はウイルスの増殖を阻害する薬しかなく、ウイルスの増殖を防いでいる間に体に免疫を作ってもらい、免疫にウイルスを殺してもらっているのです

 

⑥抗HIV薬やアビガンはどうなの?

確かに効果が確認されている報告があります。ただし例数が少なすぎてこれをすべての患者に使える段階ではありません。そもそも抗HIV薬の副作用は昔と比べてかなり軽くなったものの今だきついです。それでも承認されているのは、HIVは放置すると死に至るからです。死ぬよりましでしょ?という理屈で承認されてます。アビガンに関しても胎児に対して催奇形性(おなかの中にいる赤ちゃんが奇形になる作用)が報告されていることから妊婦には使えません。

そして上にも書きましたが、これらの薬もあくまで増殖を抑える作用しかないので、重篤化した後に投与しても効果は思った以上に薄いです。

論文レベルから標準治療レベルまでもっていくには結構慎重な試験が必要なのです。

 

献血などは大丈夫なのか

これはなかなか難しいところではありますが、個人的には大丈夫だと考えています。

2006年のWHOの報告で、呼吸器疾患を引き起こすウイルスが輸血を介して感染することは、極端にウイルスが多い場合(インフルエンザ血症レベル)を除いて考えられないという報告があります。ほかの論文でも輸血を介したインフルエンザ感染の報告は見たことがないです。

コロナウイルスも呼吸器疾患ウイルスであることから、同様の結果になると考えています。

かといって微熱があるけど献血行こうなんてことは考えないでくださいねw

 

 

とりあえず私がこれまで答えたことはこんなところです。

もし質問等あればお聞きください。私も勉強になりますので。

 

今日はちょっとネガティブで暗い話になってしまいましたから、次回からは明るめの話題を書きたいです。

 

それでは今日は失礼いたします。

 

 

 

トケイソウ